岡山市の中心市街地には大きな商店街がいくつかあります。
今回は各商店街を実際に歩いて、その規模と歴史に迫ります。
では早速見ていきましょう。
表町商店街
まずは岡山市の商店街といえば、表町商店街です。
商店街は約1.4kmの長さで、アーケードがかけられています。
8つの商店街から構成されており、北側の入り口から順に上之町、中之町、下之町、栄町、紙屋町、西大寺町、新西大寺町、千日前です。
表町商店街は規模も岡山一ですが、その歴史も1番長いです。
岡山市の都市としての歴史は戦国時代末期の1573年に、宇喜多直家が岡山に本拠を移し、岡山城の建設を開始したことに始まります。
直家の後を継いだ宇喜多秀家の時代から本格的に城下町建設がなされます。
岡山城天守閣を完成させ、さらに、岡山城下の近くを通っていた山陽道を町の中に移し、備前国内から多くの商人・職人を集めて、城下町に住まわせました。
このとき城下町内の山陽道沿いに形成された商人町が、現在の表町商店街の基礎となります。
商店街は政令指定都市の中心としては、比較的落ち着いているように感じます。
表町を岡山一の商店街として紹介しましたが、岡山の繁華街は表町と岡山駅の2つあります。
江戸時代からしばらくは表町の一強だったでしょうが、明治に入り1891年岡山駅開業、1912年路面電車を走らせる岡山電気軌道開業、戦後の1972年山陽新幹線岡山駅開業を経て徐々に繁華街の重心が岡山駅周辺に移っていきます。
現在、人の流れは岡山駅周辺の方が多いと言えるでしょう。
ただ表町ももちろん負けてはいません。そもそも岡山でこんなに長く商店街が続くのはここだけです。
さらに岡山一の百貨店天満屋もあります。
天満屋も歴史は長く、その始まりは江戸時代に遡ります。1829年に備前西大寺で開業された小間物店が始まりで1912年に岡山にも進出します。
その後岡山随一の規模の百貨店として繁栄し、現在も地場産の百貨店としてはトップクラスの規模を誇ります。
ちなみに現在の岡山県知事は天満屋の旧社長です。
また歴史を感じるものとして毎年秋に行われる大誓文払いがあります。
表町が一体となって行うビックセールですが、その始まりはなんと1896年まで遡ることができます。
他にも山陽道であることから宿泊施設である本陣があったなど表町ではショッピングだけではなく、歴史も味わうことができるのです。
反対に最新の施設もあります。
こちらは岡山創造劇場ハレノワです2023年にオープンしたもので、大きなホールがあり岡山の新しい文化の中心となっています。
またハレノワオープンも機に路面電車の延伸が計画されるなど、表町を賑やかにする起爆剤としても期待されています。
奉還町商店街
続いて見ていくのは奉還町商店街です。
こちらは表町に次ぐ規模の商店街と言えるでしょう。
岡山駅西口の近くから伸びており、こちらも表町商店街と同じく通りは旧山陽道です。
表町以上にレトロな雰囲気もしますが、その始まりは表町よりは新しいです。
奉還町商店街のルーツは、明治時代の始まりの大政奉還です。
明治維新が始まり職をなくした武士たちは、いわゆる退職金奉還金を使い商売をしようと考えました。
ただ武家の商法で商売はあまりうまくいかず、ほとんどのお店は長続きしませんでした。しかし商店街は存続し、その後多くの商人が店を出して今の奉還町商店街になりました。
旧山陽道にあるという店では表町商店街と同じですが、そのルーツは全く異なっています。
奉還町商店街のイメージは特色あるお店が多く、レトロな商店街として近年密かな注目を集めています。
表町の方が歴史は古いですが、長く岡山の中心であり続け各時代に開発が行われたため、現在の雰囲気は奉還町の方がレトロだと言えるのでしょう。
また表町は岡山駅から1kmほど離れていますが、奉還町は駅からわりかしすぐです。
そのアクセスの良さも注目される理由の一つでしょう。
岡山駅前商店街
次に見ていくのは岡山駅前商店街です。
その名の通り、岡山駅前すぐにある商店街です。
奉還町商店街は駅西口にありましたが、こちらは繁華街側の東口にあります。
3つの商店街の中で1番短く規模が小さいですが、駅前ということもあり通り沿いにはビックカメラが入るビルや、イコットニコットという商業施設があり、その入り口が商店街沿いにも設けられています。
ビックカメラもイコットニコットも駅直結なので、この岡山駅前商店街も駅と一体となった商業地区といえます。
小規模ですが駅前という立地の良さもあり、シャッター街などではなく生きている商店街です。
その始まりは今回紹介した商店街の中では1番新しく戦後の闇市です。
現在はアーケードもかけられ、商業施設とも共存する立派な商店街となりました。
月一で朝市を開くなど精力的な活動も行っています。
岡山一番街
最後に見ていくのは、岡山一番街です。
地下街であり商店街とは言えないかもしれないですが、人通りは上記で紹介した商店街をゆうにしのぎます。
その理由として、駅直結であり、駅前の各商業施設へ直接アクセスできることが挙げられるでしょう。
岡山一番街は中四国地方一の地下街でもあります。
ファッションやコスメのお店が多く入っています。
またグルメストリートがあり、こちらにも飲食店が多く入っています。
地下街の歴史は今回紹介した商店街と比べると新しく、開業したのは山陽新幹線岡山乗り入れ2年後の1974年です。
ただ地下街としては古いものだと思いますが、その古さを感じさせないおしゃれな空間です。
各商店街のMAP
というわけで今回は岡山の大商店街表町、奉還町、岡山駅前商店街、岡山一番街を見ていきました。
みなさんも実際に歩いて、お気に入りの商店街を見つけてみてはいかがでしょうか。
最後に各商店街の場所を確認しましょう。