岡山県にある山奥の人工都市「吉備高原都市」を実際に歩いてみた!

街歩き

吉備高原都市とは?

吉備高原都市は岡山県加賀郡吉備中央町にある人工都市です。

ニュータウンなどとは異なり、都市内で生活が完結できるように整備されています。
都市はセンター区住区自然レクリエーション区産業区保健福祉区などに分かれています。

下は吉備高原都市の公式HPに記載されている都市地図のリンクです。
合わせてご覧になればより理解が深まると思います↓
吉備高原都市地図(吉備高原都市公式HPより)

吉備高原都市の歴史も簡単に見ていきましょう。

吉備高原都市の構想は1973年に当時の岡山県知事が打ち出しました。
完成は1995年、人口は3万人が目標とされ1981年に都市の整備が始まります
計画は遅れ1997年までにいくつかの区域の整備が完了しました。
しかしその後、県知事が変わったこともあり県財政立て直しのため都市の整備が事実上全て凍結します

そんな吉備高原都市の現在はどうなっているのでしょうか。
実際の街並みを見てみましょう!

センター区

最初に吉備高原都市の中心「センター区」を見ましょう。

センター区にはきびプラザというショッピングモールがあります。
飲食店やスーパーなどが入っており、吉備高原都市民にとっては欠かせない施設です。

店舗一覧を見ると、他にも観光案内所や銀行、記念館、ケーブルテレビの支局、各種事務社、キッズパーク、ホテル、さらに高原都市内の不動産の案内センターなどもあります。

この辺りは都市内の交通の中心でもあり、岡山や高梁方面へのバスもここから発着します。
ただ本数は非常に少なく、所要時間は1時間ほどです。

岡山市へのバスは平日5本、土日祝4本のみです

きびプラザの近くにはさんさん広場があります。
円状に広場が作られており、イベントなどにとても良さそうな場所です。

僕が訪れた際もイベントの準備をしていました

さんさん広場の隣には遊具があります。

またセンター区内は駐車場が広く整備されており、車の数も比較的多いです。
都市内はバスが走っているとはいえ本数は少なく、ほとんどの都市民が車を持っていると思います。
また遊ぶ場所も限られるので、車でここに訪れる人が多いのでしょう。

きびプラザには2階もあります。

さんさん広場を遠くから一望すると非常に大きなドームに見えます。
これが山奥の都市にある施設だとはびっくりです。

センター区内にあるのはきびプラザだけではありません。
吉備中央公園も整備されています。

吉備、つまり吉備国とは備前国、備中国、備後国、美作国を合わせたものです。
つまり現在の岡山県全域と広島県東部です。
その吉備の中央公園ですから、規模の大きい名前です。

実は吉備高原都市が属する吉備中央町は吉備の中央にはとどまらず、日本の中央になるという野心も持っています。
日本の首都をこの場所にする、首都岡山の計画が推進されています。
(詳しくはまた記事を書こうと思います。)

公園内には世界のヘソのオブジェもあります。
日本だけでは収まらず、さらには世界の中心にもなろうとしているのでしょうか…。

これが「世界のへそ」らしいです

東・西部住区〜産業区

中心のセンター区を見ましたが、次は北に進み東・西部住区を見てみましょう。

歩いて向かいますが、都市内の道は車道は広く歩道もきちんと整備されています。
車にも歩行者にも優しい道です。

緑もたくさんあります、人工都市の良さですね

道中にはこども園、小学校やリハビリテーションセンター(病院)があります。

右がこども園、左が小学校
リハビリテーションセンター

住区に近づくと岡山県総合教育センターや農林水産総合センターもありました。

都市内には吉備中央町町役場の事務所や消防署、警察署も整備されています。
山奥にある都市ながら、公的施設が十分にあるまさに都市だと言えるのではないでしょうか!

住区の入口はきびプラザから徒歩でも20分ちょっとです。
綺麗な一軒家が整然と建てられています。

地図を見てみると区画が整然と整備されており、やはり人口都市なんだなと実感します

住区の隣は自然レクリエーション区です。
広大な緑が迫っています。

さらにその先に進むと、企業の施設が見えてきます。
ここは産業区です。
都市内では少しですが雇用も保証されています。

産業区が吉備高原都市の最北端です。

北部住区〜保健福祉区〜南部住区

都市には吉備中央公園以外にも、吉備北公園があります。
公園の近くが北住区です。

公園沿いには散歩道が整備されています。

北部住区の近くは保健福祉区です。
社会福祉法人吉備の里が運営する福祉施設や職員の方の宿舎があります。

最後に吉備高原都市への入口とも言える、センター区の南を見てみましょう。
こちらにはもう一つの住区南部住区があります。

センター区に最も近い住区です

ロードサイドにいくつか店舗が並んでいます。
ガソリンスタンドや食事処、JAの市場があります。

吉備高原Nスクエアというカフェなどが入っているおしゃれな建物もありました

もう少し進んだ先が都市の最南端です。
以降、道路は続きますが山の中になります。

実際に歩いてみて…

山奥に人口的に作られた都市、センター区や住区などはっきり整備され緑にも囲まれ住みやすいとも言えます。
しかし岡山の中心へのアクセスは悪く、それが原因か建設当初の計画通りには進んでいません。

2004年には、平成の大合併により吉備中央町が誕生しました。
都市を中心にした町づくりを掲げセンター区に一部の行政機能を移転し、イベント等も開催するなど都市活性化のための政策を進めています。

しかしそうは上手くも行かず、空き家が目立つ住宅区もあります。
人口は当初の目標の3万人にはほど遠く2000人弱にとどまっています。

周辺にはあまり仕事もないので、いくら土地代が安くてもある程度のゆとりがないとここに住もうという決意はできないかもしれません。
個人的にも、お金さえあればこういう街に住んでスローライフを楽しむのもいいなあと思います。
生活に必要なものもきびプラザで手に入りますしね。

もちろん、興味深い街であるのは確かなので移住を考えている方もそうでない方も一度訪れてみてはいかがでしょうか。

岡山県庁には吉備高原都市を紹介するパンフレットもあるなど、移住の公的支援は比較的充実していると思います。

僕は大阪のあるニュータウン出身ですが、今回歩いていると故郷を少し思い出しました。
広く整備された車道と歩きやすい散歩道、そしていくつかの緑…、人工都市は歴史こそ浅いかもしれませんが暮らしやすくつくられています。
故郷が少し恋しくなってきました。

では、吉備高原都市の発展を願って…。

・アクセス(きびプラザ)
岡山駅から中鉄バスリハビリセンター前行きびプラザ下車
徒歩すぐ

動画も作っているので、こちらも合わせてご覧ください!

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